最近、色々な作業に煮詰まると気分転換に深夜営業のカフェに行って軽く読書をしている。深夜になると客層のレベルが底辺にまで下落することで有名なカフェであり、先日もロボコップの中の人みたいな頭の人が店内でキャリーケースを大きな音を立てて無意味に何度も開閉していた。店内でごく自然に爪切りで爪を切るどう考えても「家でやれよ」的なオジサンもいた。
そうした不快なBGMを聴きながら読んでいたのが、『俺ではない炎上』と『我々は、みな孤独である』の二冊。最初に読んだのが、『我々は、みな孤独である』。この本の内容をザックリ説明すると、「前世で自分を殺した犯人を探して欲しいと老人から依頼された探偵が助手と共に前世について調べるうちに、ある種の宗教体験をする話」である。「何のこっちゃ」と思われる方もいるだろうが、僕も「何のこっちゃ」と思いながら説明しているので安心して欲しい。
「宗教体験」というのが物語の核心であり、「前世はあるのか?」に対する答えが終盤に用意されている。答え自体はシンプルだが、その発想は面白かった。「仮にそうなら、どうなんだろう…」と暫く思索していた。個人的には興味深いテーマである。
次に読んだのが、『俺ではない炎上』。この作品は「殺人を匂わす犯人らしき人物のツイートが拡散され、その犯人と疑われた人間が逃走する話」である。ツイッターが物語の起点となる話で、ある大学生が拡散したツイートが事態を深刻化させる展開はリアルにも通じる。読みやすい文章とテンポ良く進む構成で、最後まで面白く読めた。ネタバレは避けるが、読了後の感想は「時系列のマジック。巧いなぁ」だった。二度読ませる作品だな、というのが率直な評価。恐らく、映像化されるだろう。
ちなみに、今現在読んでいるのが『悪い夏』。まだ三分の一程度しか読んでいないが、面白そうな予感。生活保護の不正受給をテーマにした話で、出てくる登場人物がどいつもコイツもクズ。読んでいて若干腹立たしいほどのクズっぷりだが、「多分、ベースとなる資料があって事実なんだろうなぁ」と思わせるぐらいに妙にリアリティがある。話題作なので期待して読み進めたい。
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『俺ではない炎上』
『我々は、みな孤独である』
『悪い夏』
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